不動産用語
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里道とは?公道と異なる歴史を持つ道路の基礎知識

23用語解説

里道(りどう)とは、法定外公共物である道路の一種で、かつては村と村を結ぶなど生活道路として利用されていました。

里道とは

里道(りどう)とは、道路法の適用を受けない「法定外公共物」である道路の一種で、かつては村と村を結ぶ生活道路や農道として使われていました。一般的には「赤道(あかみち)」とも呼ばれ、公図上では赤色で表示されることが多いため、この通称が定着しています。

里道は、明治時代の地租改正の際に、公道として認定されなかったものの、公衆の利用に供されていた土地が国に引き継がれたものです。現在の管理者は市町村であることがほとんどですが、登記簿謄本が存在しないことも多く、その権利関係や利用状況が複雑なケースも少なくありません。

なぜ今、話題なの?

里道が近年注目される理由は、不動産開発や土地の有効活用において、その存在が大きな影響を与えることがあるためです。特に、以下のような状況で里道の存在が問題となることがあります。

1. 建築基準法上の道路に接していない土地(再建築不可物件)の解決策として建築基準法では、建物は原則として幅4m以上の道路に2m以上接していなければなりません。しかし、既存の公道に接していない土地でも、里道が建築基準法上の「位置指定道路」や「2項道路」として認定されれば、再建築が可能になる場合があります。 2. 土地の売買や開発における境界確定の必要性:隣接する土地が里道である場合、その境界が不明確なことが多く、売買や開発を行う際には、境界を確定させるための測量や行政との協議が必要になります。 3. 相続時の土地評価や利用権の確認:相続した土地に里道が隣接している場合、その評価や、里道を利用するための権利関係の確認が求められることがあります。

このように、里道は一見すると単なる古い道に見えますが、不動産取引や開発において、その法的性質や利用状況を正確に把握することが非常に重要となるため、注目されています。

どこで使われている?

里道は、主に以下のような場面でその存在が問題となったり、活用されたりします。

* 不動産売買・開発:土地の購入や開発を検討する際、対象地が里道に接している場合や、里道が敷地内を横断している場合に、その取り扱いが重要になります。里道を廃止して敷地に取り込む(払い下げ)ことや、里道を利用するための許可を得る手続きが必要になることがあります。 * 建築確認申請:建築物を建てる際には、建築基準法上の道路に接していることが求められます。里道がこの要件を満たすかどうか、あるいは里道を通じて公道に接続できるかどうかの確認が必要です。 * インフラ整備:電気、ガス、水道などのライフラインを敷設する際に、里道の下を通す必要がある場合、管理者である市町村への申請や許可が必要となります。 * 境界確定訴訟:隣接地の所有者との間で境界が不明確な場合、里道が関わることで問題が複雑化し、裁判に至るケースもあります。

これらの場面では、里道の管理者である市町村役場の担当部署(道路課や財産管理課など)との綿密な協議が不可欠です。

覚えておくポイント

里道に関する不動産取引や活用を検討する際に、特に覚えておきたいポイントは以下の通りです。

1. 公道とは異なる法的性質を理解する:里道は「法定外公共物」であり、道路法の適用を受けません。そのため、公道とは異なる手続きや管理体制があることを認識しておく必要があります。管理者である市町村の条例や運用によって取り扱いが異なる場合もあります。 2. 公図や現地の確認を徹底する:里道は公図上では赤色で表示されることが多いですが、登記簿謄本がない場合も多いため、公図だけでなく、現地の状況、航空写真、古い地図なども参照し、その存在や範囲を慎重に確認することが重要です。 3. 建築基準法上の道路かを確認する:里道が建築基準法上の道路として認められるか否かは、土地の利用価値に大きく影響します。建築士や行政書士などの専門家と連携し、特定行政庁に確認することが不可欠です。位置指定道路や2項道路の認定を受けるための手続きが必要になることもあります。 4. 払い下げや用途廃止の手続きを理解する:不要な里道や、敷地の一部となっている里道を自己の土地に組み入れたい場合、「払い下げ」や「用途廃止」といった手続きが必要になります。これらは市町村への申請が必要で、時間と費用がかかる上、許可されないケースもあります。 5. 専門家への相談を躊躇しない:里道に関する問題は、測量、法律、行政手続きなど多岐にわたる専門知識を要します。土地家屋調査士司法書士、行政書士、不動産鑑定士、不動産会社など、複数の専門家と連携し、適切なアドバイスを受けることが、トラブルを未然に防ぎ、スムーズな取引や活用を実現する鍵となります。